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なぜコンサルティングファームは就活生に人気があるのか?【第1弾】知的好奇心が味わえる

就職活動
2022/11/16

こんにちは、 SUMUS代表の小林です。前回のブログに引き続き、「なぜコンサルティングファームは就活生に人気があるのか?」というテーマでお話します。

当社の内定者やインターンに参加した就活生に「コンサルティング業界への志望動機」を聞いてみると、おおむね次の4つに集約されることがわかりました。

①知的好奇心が味わえる
②社会的に大きな影響を与えることができる
③主体的に取り組める
④実力主義

そこで今回は「①知的好奇心が味わえる」について掘り下げてみたいと思います。

 

コンサルティングファームのビジネスモデル

前回のブログでは、東大・京大の学生を対象にした就職人気ランキングにおいて、コンサルティングファームが大手総合商社やメガバンクを抑え、TOP30に14社も入っているとお伝えしました。

たとえば商社のビジネスモデルは、中間業者として需要者と供給者を結ぶ「トレーディング」、あるいは出資者として企業経営に参画する「事業投資」で成り立っています。また銀行は、顧客から預かったお金を企業や個人などに貸し出し、預金金利と貸出金利の差(=利ざや)から主な収益を得ています。

では、コンサルティングファームはどうでしょう?

企業の経営課題に対する解決策を示し、収益が上がるよう支援するのがコンサルティングファームの仕事です。その守備範囲は広く、ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を駆使しながら、中期経営計画から新規事業戦略の策定、M&A、現場での業務オペレーション改善にいたるまで、複雑で困難な課題の解決に取り組んでいます。

このようにまとめると、商社や銀行と同様わかりやすいビジネスモデルではあるのですが、コンサルティングファームは「型があるようでない」のが特徴です。

 

誰にでもできる仕事、ではいけない

物事を多角的な視点でとらえ、「なぜ」と問い続けることこそがコンサルタントの本分だと、私は考えています。決まったやり方はありません。また、数年前に行っていたことが継続的に通用するとも限りません。あらゆる可能性を視野に入れ、絶対解ではなく最適解を導き出す。それを実行し続けてはじめて、クライアントが抱える本質的な課題を解決できます。

コンサルティングファームがクライアントからいただくコンサルティングフィー(コンサルタント料金)は決して安いものではありません。プロジェクトの規模などによって差は出ますが、1回の打ち合わせで30〜50万円、ときには100万円を超えるケースもあります。

型をつくり、業務をマニュアル化するのは簡単ですが、「誰にでもできる仕事」にクライアントは高額なフィーを支払わないでしょう。表面的な課題解決ではなく、徹底した思考の先に生まれる解が求められている。私たちは対価に見合った知的価値を創造しなければならないのです。

 

世の中の動きを察知して先手を打つ

すばらしいアイデアはほめられるものの、できなければ即クレームの厳しい世界。もちろんプレッシャーはあります。ただ、つねにイノベーティブな発想が必要とされるため、学生の認識の通り、知的好奇心が刺激される仕事だといえます。

ひとつ事例を紹介しましょう。

SUMUSが支援する大阪の住宅工務店「中商(なかしょう)」さまは、今年に入ってから急ピッチで「ピンタレスト」で、自社ブランド「D’S STYLE(ディーズスタイル)」の販売促進を行っています。ピンタレストは500万人以上が利用するピンボード風写真共有サイト。ユーザーはイベントや興味のあることや趣味などテーマ別の画像コレクションを作成・管理することができます。

中商さまがピンタレストで行っているのは、「住宅の販売」ではなく「(中商が建築する住宅での)ライフスタイルの提案」です。これまでピンタレストと住宅の相性はよくないと考えられていましたが、フォロワー数は1万人を超え、国内企業では38位にランクイン。大手企業・有名企業が上位を占めるなか、売上高50億円弱の地場工務店がこの位置にくるのは異例のことです。

コロナ禍でEC利用が増加することを予測し、広い玄関土間にハンモックを置くなど家の中での過ごし方(遊び方)について具体的にイメージできる写真をピンタレストにアップした結果、たった1ヶ月で問い合わせ件数が4倍にもなりました。そこから住宅建築の受注にいたった件数も少なくありません。このように、時代の流れや世の中の動きを敏感に察知し、先手を打つことができれば、先行者利益を獲得でき、間違いなくクライアントから感謝されます。

もちろん追随する企業は必ず現れるので、次なる一手を考え続けることにはなります。たいへんではありますが、知的好奇心の泉が止まることはないでしょう。それがコンサルタントという仕事の醍醐味だと、私は思います。